起業の技法

これから起業するプロセスを ご一緒に。

顧客に対する洞察

これは7月25日(火)の雲。商工会議所で終日創業塾にでていて、午後には雷鳴が聞こえました。こうして写真でみるとエネルギーが充満している感じがします。充満したエネルギーは雨になり、雷となって放出され、風によって雲は流されていきました。

雷鳴の轟く中で、私たちは創業計画書を書くための講義を受けていました。この創業塾では最後に創業プランのプレゼンがあります。しかしたとえ素晴らしい創業計画書が描けても、そのプレゼンで高評価を得られたとしても、実際創業してそこに顧客が存在しなければ、素晴らしく盛大な失敗になるでしょう。どこに顧客がいるかが問題です。

 

「THE LEAN STARTUP」を読んでいて、胸に染み入る言葉。

p30から引用します。

「スタートアップの目標は、できるかぎり早く、作るべきモノー顧客が欲しがり、お金を払ってくれるモノーを突き止めることだ」。

その後にリーン・スタートアップの要約がきます。

p31から引用します。

「つまりリーン・スタートアップとは、サイクルタイムの短縮と顧客に対する洞察、大いなるビジョン、大望とさまざまなポイントに等しく気を配りながら、「検証による学び」を通して画期的な新製品を開発する手法なのである」。

 

プログラマーだった著者は、1日8時間プログラミングに集中できればいい一日だったそうです。その一方で学びはつかみどころがなく実感もできないと述懐しています。スポーツのように集中していることは快感だが、それが起業成功ではないということなのでしょう。

 

昔、近所に貸しテナントがありました。線路際です。最寄り駅から10分程歩いたところでした。開店しては閉店する。また開店する。ある時、サンドイッチ屋さんがオープンしました。開店した時には、ショーケースに一杯サンドイッチが並んでいました。とても綺麗でした。おそらく店主が張り切ってつくったものです。しかし。お客が来ない。翌日も来ません・・・。その翌日も・・・。私もまた買わずにその店の前を通過しました。そしてやがてある日、閉店していることに気がつきました。何百万円かを失っただけで済めばいいが・・・。そのようなことを繰り返しみた記憶があります。

 

ここで商売上手なのは、貸しテナントを保有する不動産管理会社でしょう。敷金・礼金をとって、閉店したら、また次の店を迎える。高回転で収益性が高い物件です。

 

さてもしも店主が出店を決める前に、次の❶❷❸をしたら、どうなるでしょう?

❶リサーチする。このテナントの過去歴をあたる。

❷交通量調査をする。人通りは、朝は駅に急ぎ足で向かう人々。夜には疲れて家路を急ぐ人々。昼間は・・・いません。

❸サンドイッチは遠方から買いに来るだろうかという哲学的な課題とその答え。

 

❶❷❸は、おそらく1日で検証できるでしょう。

 

そのようなことを思います。

 

自分の領域で、サンドイッチ屋さんになってはいないか?ーそれを検証しなくてはなりません。

 

開店前に、顧客を持っていること。それが目標です。